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超過死亡増加の理由 それは医療機関の努力の結果では?

超過死亡とは、難しい言葉なのですが、人の死についてなので穏やかな話ではなさそうです。FacebookやTwitterを見ているといろんな情報が入ってきます。コロナのワクチンの弊害を根拠もなく疑う陰謀論をお持ちの方もところどころ見受けられます。ロイター通信というニュースを配信する世界的な通信社は、日本の超過死亡について松野官房長官の談話を配信しました。

https://jp.reuters.com/article/matsuno-presser-apr6-idJPKBN2W304R

Yahooニュースでも、死者数が例年の水準をどれだけ上回ったかを示す「超過死亡」が、2022年に最大約11万3千人に上ったとの推計を国立感染症研究所などが明らかにしたと報道しました。

超過死亡は超過脂肪ではないのです。身に覚えはないでしょうか…。私にはあります。

まじめにやります。

超過死亡とは、すべての死亡数が平年に比べて増減したか示す指標だそうです。感染症であるインフルエンザの流行が社会に与えた影響を把握するため開発され、世界保健機関(WHO)が評価指標として推奨しています。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70364640W1A320C2TCC000/

コロナとの関連でいうと、今回のニュースではコロナ以外で亡くなった方が平年に比べ11万人多いということが発表されました。2020年の一年間に亡くなった方の数は、約140万人なので普段より約8%多い死者数は大きな問題です。一部の方の陰謀論を唱える人たちはこれをワクチンの影響だと言っていますが、そのような調査結果はありません。

アゴラ言論プラットフォーム主宰の池田信夫氏は、医療提供の問題だと言っておられます。コロナが猛威を振るっていた時、医療機関にコロナ対応をしてもらうために、手厚い補助金が配られました。

その補助金をもらうとコロナに注力しなければならないために、ほかの病気でなくなる方の対応ができず、外出規制による運動不足が体力低下(フレイル)を発生させ、誤嚥性肺炎や不慮の事故、近年の死亡原因の第3位となっている老衰などが、このタイミングで増加し、超過死亡が出たと言っておられます。

https://agora-web.jp/archives/230408005115.html

厚生労働省が出したコロナに関する補助金は、コロナの病床に対して450万円、重症病床であれば1500万円拠出され、この選択をした病床には一般の病気で入院できなくなります。普通の病気の患者さんが体調を崩してもこの病床には入院できなくなります。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/index_00015.html

普段から効率よく目いっぱいで動いている医療制度の一部分に無理をさせたため(補助金で釣ったため…)、コロナで亡くなる人は世界でも少ないほうでしたが、その影響によって、コロナ以外で病院での手当てが遅れ、亡くなる方が増えてしまい、それが超過死亡という形で現れたのかもしれません。あくまで推論ですが…

私はこの医療機関の努力に対して批判的な感情は全くありません。様々な医療・介護施設で働く人たちは、あの大量に押し寄せるコロナ患者や閉鎖された施設でクラスターが発生しないように命懸けで対応したのです。あの緊急時にコロナ対応をしてただいた医療機関と医療・介護関係者には感謝しかありません。

コロナに対応するためにたくさんの予算が使われました。医療費もそうですが、人間が亡くなる直前の一か月にかかる医療費が医療費を上げているという意見があります。また、医療技術のイノベーションによるコストの高騰と高価な薬剤の両方が影響しているという意見もあります。

https://news.yahoo.co.jp/byline/mamoruichikawa/20190104-00110035

https://news.yahoo.co.jp/byline/mamoruichikawa/20160919-00062279

私の母親が肺がんになった時にオプチーボを入院中の病院で処方していただきました。一回の投与で30万円、一か月で100万円を超えていたのではないでしょうか。それが一割の負担で、かつ高額療養費ということで、数万円で済んでしまうのが、日本の医療制度です。ありがたいことです。しかし、なんとうちの不良おばあは、入院中の病室でタバコを吸っているのがばれて、病院を強制退院するということになってしまいました。

ガンを治す高い薬をいただいても、本人の認知症は進み、この助けていただいた命は幸せなのかどうか。私にはよくわかりませんが、受けた医療は満足できるものであり、私の同級生が院長を務める病院にて最期を迎えました。日本は本当にありがたい国だと思います。

じゅこうさん 鍼灸スタッフ 木下広志