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私のミスで生まれた時間を有効に利用させていただきました。(国立博物館、国立科学博物館、東京藝術大学展示館)

私の夢は、世界の三大美術館と言われる、ルーブル美術館(フランス・パリ)、メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)、エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルク)、プラド美術館(スペイン・マドリード)を回ることです(なぜか四つですが…)。

ところが美術館よりも博物館のほうが私の好みだったりします。これに、国立故宮博物院(台湾・台北)、大英博物館(イギリス・ロンドン)、そして、スミソニアン博物館(アメリカ・ワシントンDC)と、以上の7つの美術館・博物館に行くのが私の夢です。現在のところ、故宮博物院とスミソニアン博物館はすでに行ったことがあります。メトロポリタン美術館へは行ったのですが、当日が12月25日ということで休館日でした。エルミタージュ美術館にも行きたいと思いますが、早く戦争が終わりますように…。

かねてから日本の博物館に行くタイミングを計っておりましたが、今回の時間はそれに充てることができました。泊っている東京日本橋人形町のアパホテルから上野まで5キロほど歩くことにしました。朝食は途中にある喫茶店でモーニングを食べようと考えました。ホテルを出てほどなく小さなカフェがあったのでモーニングを食べました。東京といえども安いですね。600円ほどでコーヒーとトースト、サラダ、ゆで卵をいただきました。

上野公園に9時に到着したのですが、不忍池をぐるっと歩いているとお腹の調子が悪くなってきました。もう一度外周部に出るとビルの一階に小さな喫茶店があったので、そこに入り、本日2回目のモーニングをいただきました。そのビルのオーナーがのんびりとやっている感じの喫茶店でした。

さて、まず向かったのは東京藝大の展示です。東京藝大は上野公園の一角にあります。ここが広いのは寛永寺の境内だったからのようです。上野公園は台東区なので芸大の生徒さんが作ったいい作品は文化振興のため台東区がお買い上げになっているようです。その台東区が選んだ作品コレクションを展示しているようでした。

次に行ったのは国立博物館です。博物館建物の左奥に法隆寺宝物館があって、法隆寺の宝物の一部が明治時代に寄贈されたそうで、仏像や金属の装飾品を中心に展示されていました。

そして、本命の国立博物館。ここでは明治時代から収集されてきた珍しいものが展示されています。私は体に関係する仕事をしているので骨の写真をいくつかご紹介したいと思います。まず、ある動物の頭の骨です。後ろにキリンが見えています。この頭の中心には大きな穴が開いています。私は基本的に幽霊や化け物の伝説が大変好きなのですが、それが本当に存在していたとは思っていないので、この骨を見てなるほどと思ったりします。

何かと言いますと、この動物を知らない人が突然この骨を見たらギリシア神話に登場する一つ目の巨人サイクロプスだと思うだろうなということです。中心の穴に目玉が入っていたように見えないでしょうか。私が発掘したなら絶対に想像します。しかし、残念ながらこれは象の骨なので中心の穴は、そうよ母さんも長いお鼻につながる空気の穴です。

オディロン・ルドン作「キュクロープス」。1914年。オランダ・オッテルローのクレラー・ミュラー美術館 所蔵。

その他にもレイザーラモンさんの骨や、昔のお医者様が身体の研究をするために木材で作った骨の模型、鍼灸のツボが書かれた銅人などたくさんの貴重品を見ることができました。仏教彫刻や作家さんの作品、出土品とたくさんの展示を見ることができました。私は岡山県人なので、私が住んでいる倉敷市青江の日本刀、高梁市で発掘されていた逸見石(ホウ酸塩鉱物)など地元でもあまり見ることのない展示も見せていただきました。

最後に国立科学博物館に行き、迷子になっているおばあさんを助け、エレベーターを乗り間違えた外国人に「This is the top floor.」と教えてあげたりもできました。5時のホタルノヒカリの曲を聴きながら、博物館を後にしました。

そこから、ホテルに帰り、いざ、都立大学駅に出陣、学生時代にお世話になった大先輩とご一緒することができました。都立大学駅徒歩3分ほどにある「ぶらんこ」という和食が中心のお店で、先輩と二人で飲んでいると先輩の奥さんも合流して、私は楽しくて酔っぱらってしまいました。話をしていると昔飼っておられた犬の話になって、その犬は亡くなったんだけど今は保護された犬を飼っているとのことでした。

犬好きの私はそれを見たいとわがままを言い、突然の訪問をして犬を撫で回して帰ってきました。良い東京旅行ができました。

じゅこうさん 鍼灸師 木下広志