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タイ旅行⑥ ワット・パクナムの天井壁画、ガラスの仏塔、巨大仏とシリラート死体博物館

タイ古式マッサージの学校が早く修了したので、もう1日観光する時間を取ることができました。この日は王宮のある地区からチャオプラヤ川を船で渡ってトンブリ―と呼ばれる古い街に出かけました。

こちらには2つの目的地があります。1つは「るるぶ」というガイドブックの表紙にもなっていて、「フォトジェニック」のいう意味の分からない単語でとても有名なワット・パクナム寺院があります。バイオニック・ジェミーなら、世界最強の美女のことですし、バイオジェニックスであれば、『乳酸菌生産物質』のことです…なんてボケはいりませんね。フォトジェニックは写真写りが良い、画面映えするといった意味になります。This temple is photogenic. 「このお寺は写真写りがいい」といった使い方になります。

もう1つはシリラート死体博物館です。この博物館は法医学博物館で、何らかの犯罪や事故で法医学による鑑定が必要だった遺体が展示されています。タイでは犯罪者の遺体は弔う必要もないという考え方があるようです。写真撮影が禁止だったので、私個人で撮影した写真は無いのですが、これらの写真をスマホに保存することすら、ちょっと気が引けるような場所でした。グロい写真もたくさんありますが、興味のある方は以下のサイトを見てください。

https://www.bangkoknavi.com/miru/14/

シリラート死体博物館の目玉展示であったシ―ウィーという異常犯罪者のミイラですが、この方は冤罪の可能性があったため、国民の投票により火葬されたそうです。今ある展示も頭蓋骨がずらっと並んでいて、銃で撃たれた頭蓋骨、刃物で刺された頭蓋骨、鈍器で殴られた頭蓋骨という風に分かれていて、中にはショットガンで撃たれて顔半分が無くなっているような標本もありました。

この病院内には死体博物館以外に、解剖学博物館、寄生虫博物館、病理博物館、タイ医学歴史博物館、先史博物館があり、タイ医学歴史博物館では病気の原因を西洋医学的に考えた場合と伝統医療的に考えた場合の違いなどもビデオで見ることができました。私の研究テーマでもある分野なので興味を持って見学しました。

基本的には医学関係者のための博物館で、別の棟にある解剖学博物館のほうには、無脳症や水頭症といった異形の赤ちゃんの死体が展示されていて、これも含めて怖いもの見たさで行くとちょっとショックかもしれません。うちの父は松竹映画の撮影技術者だったので京都大学の解剖学博物館でこのような赤ちゃんの撮影をしたことがあると生前聞いたことがあります。このような赤ちゃんは多くの場合、胎内で、出産されたとしてもかなり早い段階で亡くなってしまうとも聞きました。ご家族のことを考えるとかわいそうでした。五体満足という現実に感謝しなければなりません。

さて、次はワット・パクナム寺院です。当日は、大学の教授も同行(暇なの?)してくれることになりましたが、教授は朝起きるのが苦手なことと死体を見たくないという理由からワット・パクナムのみ、ご一緒しました。シリラートから教授との待ち合わせの地下鉄駅までバイク便の後席に乗せてもらい100バーツほど。高いか安いかよくわかりませんが、歩いて行くには遠すぎるし、地下鉄の路線はないし、タクシーやトゥクトゥクは高そうだし、あんなに事故の遺体を見たばかりなのに、なんとなくスリルも味わいたくてバイク便にしました。

ワット・パクナムはアユタヤ時代(日本の室町時代)に建設され、1916年〜1956年に住職を務めたルアン・ポー・ソット師は、座禅と瞑想が組み合わさった方法であるタマカーイ式メソッドを生み出したそうです。私もある部屋に入ったところ、周りの人が熱心に拝んでおられるのでなんとなく一緒になって瞑想を始めたのですが、その部屋がアユタヤ時代に建設された本堂だったようです。派手さの中に荘厳な部分が同居していて、昔の人が作った建物や仏像だけを見るのではなく、生きている仏教を感じることができました。

最後にタイの仏像で3番目に大きな金色の仏様を見て、何となく自分に似ていると感じながら、寺院を後にしました。今回のタイ旅行は私の好きな仏教とタイの屋台での食べ歩き、トゥクトゥクやバイク便の方たちとの値段交渉などとても楽しい旅行となりました。次回は智子先生と一緒に三ツ星ホテルに泊まって高級なタイ旅行をしてみたいと思います。

その前に一人でアンコールワットに行っちゃうかも…

じゅこうさん 鍼灸師 木下広志