八十八ヵ所の霊場を一度に巡ることを「通し打ち」というのですが、何回かに分けて巡ることを「区切り打ち」と呼びます。特に巡り方に決まりは無くて、今年はオリンピックイヤーなので1番のお寺からではなくて、88番目のお寺から回る逆打ちが流行っています。
今年、突然始めた四国ちゃり巡礼も徳島県海部郡美波町という美しい名前の場所にある23番霊場の薬王寺まで参拝が終わっていました。今回の4回目の区切り打ちから、やっと高知県に入ります。
薬王寺から室戸岬の先端にある24番霊場の最御崎寺まで75キロあります。朝6時ごろの出発し、午後2時ごろ到着できると考えています。天気予報によると強い風が吹くこともなく順調にサイクリングできそうです…と考えていました。出発するとすぐに「宝食堂」という食堂が開いていました。「朝は朝食セットしかできんよ~。」と言われたのでそれをいただきました。量も多くおばちゃんとの話も弾んだので長居をしてしまいました。
ここからはずーっと何も考えずに走っていたのですが、朝食を食べ過ぎてお腹が痛くなります。ちょうど「さばせ大福」というお饅頭屋さんが鯖大師の前にあって、ここでトイレをお借りすることができました。神…仏か…助かった。それでもやっと最御崎寺に到着しました。最後に上り坂があって結構大変でしたが、本当に大変だったのはここからでした。
次のお寺と思っていた金剛頂寺で経本に納経してもらおうと提出したら、前のお寺を飛ばしていますよと指摘されました。津照寺抜けてました。5キロほど戻って往復10キロの体力を奪われました。ここから次の神峯寺(こうのみねじ)まで30キロはあったと思います。ここで熱中症のため、20キロでリタイア。ホテル奈半利という宿で一泊しました。マグロのおいしい宿でした。冷房の効いた部屋で1時間以上寝落ちしたところで体調が回復しました。このお宿にはお風呂もあって快適な休息が取れました。
今回はこの暑さの中、2日間で150キロ程度走行しました。熱中症対策のために休憩を多めに入れて対応しましたが、やはり暑いものは暑い。なかなか体温が下がらず大変でした。海沿いなので涼しいと考えていましたが、決してそんなことはありません。本当は観光地にはどこにもよらないつもりでしたが、小学校跡地利用の廃校水族館だけは外せませんでした。
予定時刻の2時に汽車に乗ったのですが、JR後免で特急南風に乗る予定が、土佐黒潮鉄道の後免町で降りてしまい、1時間遅れの乗車となりました。
まあ、旅ってこんなもんですよね。
じゅこうさん 木下広志